つるまき動物病院
院長ブログ

柴犬の飼い方|若いうちから注意したいアトピー性皮膚炎とスキンケア

2026年9月3日

柴犬は、飼い主様に忠実で自立心が強く、凛とした姿が魅力の犬種です。一方で、警戒心が強く、慣れない場所や体を触られることを苦手とする犬もいます。柴犬と健やかに暮らすためには、こうした犬種の特徴を理解し、その子の性格に配慮しながら健康管理を続けることが大切です。

柴犬の健康管理で特に注意したい病気のひとつが、アトピー性皮膚炎です。柴犬は犬アトピー性皮膚炎がみられやすい犬種とされ、若いうちから痒みや皮膚の赤みなどが表れる場合もあります。

また、体を触られることが苦手な柴犬では、皮膚の異変があっても十分に確認できず、気づくのが遅れることがあります。日頃から手足を舐める、顔や耳を掻くといった行動を観察し、無理のない方法でケアを続けましょう。

今回は、柴犬の特徴を踏まえた健康管理のポイントとして、犬アトピー性皮膚炎でみられる症状や治療、ご家庭で無理なく続けるためのスキンケアについて解説します。

■目次
1.柴犬にみられるアトピー性皮膚炎とは?
2.手足や顔に表れる初期症状
3.痒みの原因を調べ、症状に合わせて治療する
4.柴犬の性格に配慮した当院の皮膚診療
5.自宅で無理なく続けるスキンケアと食事管理
6.まとめ

柴犬にみられるアトピー性皮膚炎とは?


アトピー性皮膚炎は、遺伝的な体質や皮膚のバリア機能、環境中のアレルゲンなどが複雑に関係する、痒みを伴う慢性の皮膚疾患です。花粉やハウスダスト、ダニなどが症状に関わる場合があります。

一般的には若齢期に発症する傾向があり、季節によって痒みが強くなる犬もいれば、年間を通して症状が続く犬もいます。ただし、痒みの原因はアトピーだけではありません。食物アレルギーやノミ、細菌、マラセチアなどが関係する皮膚炎でも、似た症状が表れます。

そのため、アレルギー検査の結果だけで判断するのではなく、症状が始まった年齢や季節性、皮膚病変の分布などを確認し、ほかの病気を除外しながら診断します。

手足や顔に表れる初期症状


アトピー性皮膚炎では、手足の先、顔、耳、脇、腹部などに痒みが表れやすい傾向があります。皮膚に目立った赤みがなくても、次のような行動が初期症状の可能性があります。

・手足の先を繰り返し舐めたり噛んだりする
・顔や耳を足で掻く
・顔を床や家具にこすりつける
・脇やお腹に赤みがある
・耳の汚れやにおいが増える
・同じ場所の毛が薄くなる

掻いたり舐めたりする状態が続くと、皮膚が黒ずむ、厚くなる、べたつくといった変化が表れる場合もあります。痒がる様子や皮膚の赤みが続く場合は、早めの受診をご検討ください。

痒みの原因を調べ、症状に合わせて治療する


アトピー性皮膚炎は、ひとつの検査だけで確定できる病気ではありません。皮膚や被毛の状態を観察したうえで、必要に応じて皮膚の細胞や付着物を調べる検査などを行います。ノミやダニ、感染症、食物アレルギーなど、ほかの原因がないかを確認する過程も重要です。

治療では、痒みを抑える内服薬や注射薬、外用薬などを症状に合わせて選択します。細菌やマラセチアの増殖が確認された場合は、それぞれに応じた治療も必要です。

アトピー性皮膚炎は長期的な管理が必要になる場合があるため、症状の程度や健康状態、副作用のリスクなどを考慮しながら、使用する薬の種類や量を検討します。

薬だけに頼り切らず、スキンケアや生活環境の見直しも組み合わせ、痒みを無理なくコントロールしていきます。

柴犬の性格に配慮した当院の皮膚診療


柴犬は、慣れない場所や処置に緊張しやすく、体を押さえられることに強い抵抗を示す場合があります。無理に触ると、その後の通院や自宅でのケアが難しくなる可能性もあります。

当院では、可能な限り犬をお預かりせず、飼い主様にそばで支えていただきながら診察を進めます。必要に応じて体を優しく支えていただいたり、声をかけて励ましていただいたりすることで、犬の緊張を和らげます。

まずは犬に直接触れずに行える観察から始め、様子を見ながら必要な検査へ進みます。すべての検査を一度に行うとは限りません。犬の性格や皮膚の状態を踏まえ、必要性の高いものから進めるよう心がけています

自宅で無理なく続けるスキンケアと食事管理


皮膚の汚れやアレルゲンを洗い流し、皮膚を清潔に保つために、シャンプーが役立つ場合があります。ただし、使用する製品や洗う頻度は皮膚の状態によって異なります。獣医師の指示に沿って行い、洗浄後は皮膚をこすらず、十分に乾かしましょう

当院では、シャンプーを強く嫌がる柴犬についても、性格や皮膚の状態に合わせたケア方法をご提案しています。ご家庭でのシャンプーが難しい場合は、当院のトリミングをご利用いただくことも可能です。無理に続けず、ご相談ください。

また、スプレータイプの保湿剤を嫌がる場合は、皮膚へ直接吹きかけるのではなく、いったん飼い主様の手に取ってから、撫でるようになじませる方法があります。

ブラッシングが苦手な犬には、硬い金属製のブラシを避け、ラバー製など柔らかい素材のものを試してみましょう。

短時間で終え、落ち着いてできたらおやつなどのご褒美を与えると、少しずつ受け入れやすくなる場合があります。

食事は自己判断で頻繁に変更せず、食物アレルギーの可能性や栄養バランスを考慮して選ぶことが大切です。療法食を用いた食事試験が必要になる場合もあるため、変更する前に獣医師へご相談ください。

まとめ


柴犬は、忠実で自立心が強い一方、警戒心が強く、体に触れられることを苦手とする場合があります。こうした犬種の特徴を理解し、日頃から無理のない範囲で体や行動の変化を確認することが、健康管理の第一歩です。

また、柴犬で注意したい病気のひとつに犬アトピー性皮膚炎があります。手足を繰り返し舐める、顔や耳を痒がる、皮膚の赤みが治まらないといった様子がみられたら、早めに動物病院へ相談しましょう。

犬アトピー性皮膚炎は、症状が良くなったり悪くなったりしながら長く続く場合もあります。当院では、触られることが苦手な柴犬の性格を尊重し、飼い主様にもご協力いただきながら診察を進めています。治療だけでなく、シャンプーや保湿、ブラッシングなど、ご家庭で継続しやすい方法も一緒に考えます。

皮膚の痒みや赤みが続く場合や、日頃のケアにお困りの際は、当院までご相談ください。

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