犬は秋もアレルギーや皮膚炎に注意|雑草・マダニによる痒みと対策
暑さが落ち着き、愛犬と散歩を楽しみやすくなる秋。
しかし、季節の変わり目に「急に体を掻くようになった」「散歩から帰ると足先をなめている」といった変化が表れることがあります。
秋は過ごしやすい一方で、ブタクサやヨモギなどの雑草の花粉や、草むらに潜むマダニによる皮膚トラブルに注意が必要な季節です。また、夏の間に受けた皮膚への刺激や気温・湿度の変化などが重なり、痒みや赤みが表れる場合もあります。
当院でも、夏が過ぎてから急に痒がり始めた犬が来院するケースは少なくありません。原因としてはアレルギーやマダニなどが考えられますが、痒みの原因はさまざまです。季節だけで判断せず、皮膚の状態や生活環境を丁寧に確認することが大切です。
今回は、秋に注意したい犬のアレルギーや皮膚炎の原因、マダニによるリスク、散歩後にできるケアについて解説します。
■目次
1.秋の散歩で注意したい花粉や植物による皮膚トラブル
2.秋も油断できないマダニによる皮膚トラブル
3.秋の散歩で取り入れたい予防と日常ケア
4.犬の痒みは原因を見極めて治療することが大切
5.まとめ
秋の散歩で注意したい花粉や植物による皮膚トラブル
秋にはブタクサやヨモギなどの花粉が飛散します。もともとアレルギー体質の犬では、花粉が皮膚に付着することで、痒みや赤みなどの症状が表れる場合があります。
また、散歩中に草むらへ入ると、花粉が付着しやすくなるだけでなく、植物そのものが皮膚に触れて刺激となることもあります。
散歩の後に、次のような変化がみられないか確認しましょう。
・足先を繰り返しなめる、噛む
・顔や耳を頻繁に掻く
・脇やお腹、内股などに赤みがある
・体を床や壁にこすりつける
・脱毛、湿疹、皮膚のべたつきやにおいがある
ただし、反応する花粉や植物、症状の程度は犬によって異なります。
また、痒みによって皮膚を傷つけると、細菌やマラセチアが増えて炎症が悪化することもあります。症状が続く場合や、眠れないほど痒がる場合には早めにご相談ください。
秋も油断できないマダニによる皮膚トラブル
マダニは草むらや藪などに生息し、犬の体に付着して吸血します。一般に春から秋にかけて活動が盛んで、種類や地域によっては秋にも活発にみられます。涼しくなったからといって、予防を中断するのは避けましょう。
マダニに刺された部分では、赤みや腫れ、痒みなどが表れることがあります。さらに、マダニはバベシア症や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などの感染症を媒介する可能性があります。
散歩の後は、頭や耳の周囲、首、脇、内股、指の間などを確認してください。マダニが付着している場合、無理に引っ張ると、皮膚に食い込んでいる部分が残ってしまうおそれがあります。素手でつぶしたり無理に取ったりせず、動物病院へご相談ください。
また、マダニ予防薬には複数の種類があります。犬の年齢や体重、生活環境などに合ったものを獣医師と相談しながら選びましょう。
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秋の散歩で取り入れたい予防と日常ケア
雑草が多い場所や背丈の高い草むらはできるだけ避け、散歩中は愛犬を草の中へ深く入らせないようにしましょう。
皮膚や被毛への付着を減らす方法のひとつとして、犬用の服を着せることも選択肢です。ただし、服で覆われていない部分には花粉やマダニが付く可能性があるため、帰宅後の確認も欠かせません。
帰宅したら、足を拭く、ブラッシングをする、犬に使用できるボディシートなどで体全体をやさしく拭くといったケアを行いましょう。皮膚を強くこすると刺激になるため、やさしく拭き取ることがポイントです。服もこまめに洗濯し、清潔に保ちます。
なお、人用のウェットシートや除菌シートには、犬の皮膚に適さない成分が含まれることがあります。犬用と明記された製品を選び、使用後に赤みなどがみられた場合は使用を中止してください。
犬の痒みは原因を見極めて治療することが大切
犬の痒みは、花粉などに関連するアレルギーだけでなく、ノミ・マダニ、細菌やマラセチアの増殖、食物アレルギーなどによっても起こります。複数の原因が重なっていることもあるため、夏の皮膚トラブルの続き、あるいは秋のアレルギーだと決めつけることはできません。
診察では、症状が始まった時期、痒みが強くなる場所や時間帯、散歩コース、食事、予防薬の使用状況などを伺い、皮膚の状態を確認します。
必要に応じて皮膚細胞診や皮膚掻爬検査などを行い、感染や寄生虫の有無を調べます。アレルギーが疑われる場合も、ほかの痒みの原因をひとつずつ確認しながら診断を進めることが重要です。
治療は原因や症状に合わせて、次のようなものを組み合わせます。
・痒みや炎症を抑える薬
・寄生虫の駆除・予防
・細菌や真菌に対する治療
・薬用シャンプーや保湿
当院では、愛犬の皮膚の状態や暮らし方に応じて、無理なく続けられる管理方法をご提案します。
まとめ
秋にみられる犬の皮膚炎には、雑草の花粉や植物との接触、マダニなど季節に関連する要因が関わることがあります。散歩コースを工夫し、服の着用や帰宅後の足拭き、ブラッシング、体を拭くケアを取り入れましょう。マダニ対策は秋も継続することが大切です。
一方、痒みの原因は見た目だけでは判断しにくく、時間がたつほど皮膚の傷や二次的な感染が加わる場合があります。
痒みや赤みが長引く、皮膚を傷つけるほど掻く、脱毛やにおいがみられるときは、当院へご相談ください。
飼い主様から普段の様子を伺いながら、愛犬の状態に合わせた検査と治療をご提案します。
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