犬と猫の皮膚トラブル(好発部位)|疾患の種類や治療法を徹底解説
犬や猫は皮膚のトラブルが多くみられ、特に温度や湿度が高くなる5月後半から夏にかけて増える傾向にあります。原因はさまざまで、場合によっては生涯にわたって治療が必要になるケースもあります。
今回は犬と猫の皮膚トラブル(好発部位)について、犬や猫に多い皮膚炎の種類や治療方法などをご紹介します。
■目次
1.犬や猫に多い皮膚炎
2.皮膚炎が起きやすい部位
3.診断方法
4.治療方法
5.ご家庭での注意点
6.まとめ
犬や猫に多い皮膚炎
代表的な皮膚炎には、以下のようなものがあります。
<膿皮症>
細菌感染が原因で起こる皮膚炎です。猫ではあまりみられませんが、犬では一般的にみられます。
<皮膚真菌症>
マラセチアや皮膚糸状菌といった真菌(カビの仲間)が原因で起こります。
<アレルギー性皮膚炎>
アレルギーが原因で起こる皮膚炎の総称で、アトピー性皮膚炎や食物アレルギー、ノミアレルギーなどがあります。
<ニキビダニ症>
毛穴に寄生するニキビダニ(毛包虫)が原因で起こります。
<心因性脱毛症>
不安やストレスがきっかけとなり、過剰に体を舐めることで起こる脱毛症です。
皮膚炎が起きやすい部位
体のどの部位にも起こり得る可能性がありますが、皮膚炎の種類によって起こりやすい部位が異なります。
・膿皮症:背中、おなか、手足の付け根、指先
・皮膚真菌症:顔周り、手足の付け根、指先
・アトピー性皮膚炎、食物アレルギー:顔周り、おなか、手足の付け根、指先
・ノミアレルギー:背中、腰または腰背部
・ニキビダニ症:顔周り、背中、手足、指先
診断方法
さまざまな皮膚検査を行い、総合的に診断します。
<細胞診>
セロハンテープやスライドグラスなどで膿やフケなどを採り、細菌や真菌の存在を確認する検査です。
<抜毛検査>
ピンセットなどで毛を抜いて、毛の状態を確認する検査です。
<皮膚ソウハ検査>
皮膚の表面を削り、皮膚の奥に侵入している寄生虫の存在を確認する検査です。
<ウッド灯検査>
紫外線を当てて、皮膚糸状菌の存在を確認する検査です。
<くし検査>
ノミ取り櫛でコームを行い、寄生虫や寄生虫の糞の有無を確認する検査です。
また、必要に応じて血液検査や培養検査、病理検査などを行うこともあります。
治療方法
皮膚炎の原因によっても異なりますが、主に薬を使った治療やシャンプー療法を行います。また、補助的に療法食やサプリメントを取り入れることもあります。
ご家庭での注意点
完全に予防することは難しいものの、定期的にシャンプーを行ったりノミ予防を行ったりして、日頃から皮膚を健やかに保つことを心がけましょう。
まとめ
皮膚炎は治療が遅れると重症化したり治療が長期化したりする恐れがあります。また、痒みがある場合は犬や猫にかかるストレスも大きいため、皮膚炎が疑われる場合はなるべく早めに動物病院で検査を受けましょう。
当院のトリミングでは、皮膚トラブルの改善に効果的な炭酸泉やマイクロバブルをご利用いただくこともできますので、気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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