つるまき動物病院
院長ブログ

愛犬・愛猫の命を守る!|犬や猫が誤飲・誤食しやすいものと対処法

2024年6月7日

愛犬や愛猫が「こんなものを口にしてしまった!」と驚いた経験はありませんか?
可愛いらしくおねだりされると、つい自分の食べているものをあげてしまう飼い主様も少なくありません。しかし、人には問題ない食べ物が犬や猫にとっては中毒の原因になることもあり、場合によっては命に関わることもあるため、飼い主様は十分な注意が必要です。

今回は犬や猫の誤飲・誤食について、与えてはいけない食材や誤飲・誤食した場合の対処法をご紹介します。

■目次
1.犬や猫に与えてはいけない中毒症状を起こす食材
2.犬や猫が食べ物以外に誤飲してしまうもの
3.誤飲・誤食した場合の対処法
4.ご家庭での注意点
5.まとめ

犬や猫に与えてはいけない中毒症状を起こす食材


犬や猫が食べると中毒を起こす可能性のある主な食材は下記のものがあります。

<チョコレート>
犬や猫はチョコレートに含まれる「テオブロミン」という成分で中毒を起こすため、チョコレートを摂取すると下痢や嘔吐、失禁などを引き起こすことがあります。さらに症状が進行すると震えやけいれんなどが起こり、最悪の場合死亡することもあります

<ぶどう>
嘔吐や下痢、腹痛、食欲不振などの症状が現れることがあります。さらに、急性腎障害を引き起こし、最悪の場合、死亡することもあります

<玉ねぎなどのネギ類>
摂取すると赤血球が破壊され、貧血の症状を引き起こします。具体的な症状としては、歯茎の粘膜が白っぽくなる、血色素尿などがみられ、最悪の場合死に至る可能性もあります。また、玉ねぎなどのネギ類は生はもちろん、加熱をしても毒性は消失しません。

<魚介類>
生のエビやカニ、イカ、タコ、貝類などを食べると、チアミン(ビタミンB1)欠乏症を引き起こす可能性があります。
チアミン欠乏症とは、脳や神経系に障害をもたらし、後ろ足の力が弱まり、真っ直ぐに歩けなくなる運動失調やけいれん、視力障害などの症状が現れることがあります。

<アルコール>
犬や猫はアルコールを分解できないため、摂取すると脳や臓器に重大な悪影響を及ぼします。具体的な症状としては、嘔吐やふらつき、極度の疲労感、呼吸が弱い、意識障害が現れるなど、命に危険を及ぼすリスクが高まります

犬や猫が食べ物以外に誤飲してしまうもの


犬や猫は好奇心旺盛なため、さまざまな物を口に入れてしまうことがあります。特に、子犬や子猫は新しいものに対する好奇心が高いため、予期せぬものを誤飲してしまうことがあります。

食べ物以外で誤飲しやすいものは下記が挙げられます。

・おもちゃ
・竹串
・鳥の骨
・ペットシーツ
・人用の薬
・観葉植物 など

特に観葉植物や花の中には中毒を引き起こすものがあります。
主に中毒を起こす観葉植物には、ポトスやドラセナ、アロエ、ユリなどがあります。犬や猫がこれらを食べると下痢や嘔吐、呼吸困難、昏睡といった症状を引き起こす可能性があります。
そのため、ご家庭にこれらの観葉植物や花がある場合は、犬や猫の手が届かない場所に設置するなど注意が必要です。

誤飲・誤食した場合の対処法


犬や猫が誤飲・誤食をしたら、様子をみずにすぐに動物病院を受診し、獣医師の指示に従いましょう。
来院前に下記を用意しておくとスムーズに診断と治療を行うことができます。

食べたものの量や大きさ、種類、時間をメモしておく
食べ残しや嘔吐物、排泄物があれば病院に持参する
説明が困難な場合は、写真や動画を撮影しておく

動物病院では、状況に応じて催吐処置を行うことがあります。しかし、異物が鋭利な場合は消化管を傷つけるリスクがあるため、内視鏡や外科手術による方法を検討します。

また、飼い主様がご自身で催吐を試みることは非常に危険なため、絶対に自己判断で行わないようにしましょう

ご家庭での注意点


犬や猫が手の届く場所に危険な食材やものを置かないことで、誤飲・誤食を未然に防ぐことができます。

<収納の徹底>
食べると危険なものは、犬や猫が手の届かない場所にしっかりと収納しましょう。
特に猫は高い場所にジャンプできるため、フタがしっかり閉まるキャビネットを使用して対策を行いましょう。

<安全なおもちゃを選ぶ>
おもちゃは、犬や猫の口全体に入らない大きさのものを選びましょう。また、噛み続けることで破損してしまうおもちゃや小さなパーツが付属しているものは、誤飲・誤食の危険性があるため特に注意が必要です。

まとめ


誤食・誤飲による中毒はさまざまな症状を起こすことがあり、場合によっては命に関わることもあります。愛犬や愛猫が誤食・誤飲した場合には、速やかに動物病院に相談することが重要です。早期対応が犬や猫の健康を守るカギとなります。

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