つるまき動物病院
院長ブログ

【獣医師解説】トイ・プードルに多い病気とは?|骨折・パテラ・外耳炎と予防のポイント

2026年4月14日

トイ・プードルは、賢く人懐っこい性格に加え、トレーニングもしやすいことから、はじめて犬を迎える飼い主様にも選ばれやすい人気の犬種です。また、カットのバリエーションが豊富で、季節やライフスタイルに合わせたスタイルを楽しめる点も魅力のひとつです。

しかしその一方で、特有のケガや病気で来院されるケースが非常に多い犬種でもあります。当院でもトイ・プードルだけでなく、マルプーといったいわゆる「〇〇プー」と呼ばれるミックス犬のご来院も多く、日々さまざまなご相談をいただいております。

なかでも特に多いのが、「骨折」「パテラ」「外耳炎」といったトラブルです。

そこで今回はトイ・プードルの魅力とあわせて、特に注意したい病気や日常生活でできる予防、診断・治療方法などについて解説します。

■目次
1.トイ・プードルの特徴と注意点|なぜトラブルが起きやすいのか
2.注意したいトラブル①|骨折
3.注意したいトラブル②|膝蓋骨脱臼(パテラ)
4.注意したいトラブル③|外耳炎
5.おうちでできる予防と環境づくり
6.気になる症状があれば早めにご相談を|当院でのサポート体制
7.まとめ

トイ・プードルの特徴と注意点|なぜトラブルが起きやすいのか


トイ・プードルは活発で、ジャンプをしたり走り回ったりすることが好きな犬種です。そのため、日常の中でも体をよく動かす場面が多く見られます。

一方で、骨が細く関節が繊細という特徴もあります。見た目は軽やかで丈夫そうに感じられるかもしれませんが、実際には体にかかる負担が大きく、ちょっとした動きがケガにつながることもあります。

また、このような傾向は純血種に限らず、マルプーなどといったプードルの血が入っている犬にも共通しています。

そのため、「飼いやすい犬種=トラブルが少ない」と考えるのではなく、体の特徴を理解し、将来のトラブルも見据えて迎え入れることが大切です。

注意したいトラブル①|骨折


トイ・プードルで特に多いトラブルのひとつが、前足の骨折です。「少し滑った」「ソファから降りただけ」といった軽い衝撃でも骨折してしまうケースは珍しくありません。実際に当院でも、こうした理由で来院されるケースが多く見られます。

特に若い時期は骨が細く未熟なため、外からの力に弱い傾向があります。

<よく見られるサイン>
・足をかばうように歩く
・足を地面につけたがらない
・触ると痛がる、鳴く

<進行した場合のリスク>
骨折した状態で動き続けてしまうと、骨のずれが大きくなったり周囲の組織を傷つけたりすることがあります。また、骨の一部では血流不足により骨折後に骨がうまくくっつかない「癒合不全」が起こる場合もあり、治療が長引いたり再手術が必要になったりすることもあります。

そのため、異変に気づいた際には早めに動物病院を受診し、適切な処置を受けることが大切です。

注意したいトラブル②|膝蓋骨脱臼(パテラ)


「膝蓋骨脱臼(パテラ)」は、トイ・プードルに多く見られる代表的な関節の病気です。膝のお皿は本来、決まった位置で動く構造ですが、その位置から外れてしまうことで起こります。成長期から症状が見られることもあり、気づかないまま進行してしまうケースも少なくありません。

また、日常の様子の中では、以下のような変化が見られることがあります。

<よく見られるサイン>
・スキップするような歩き方をする
・片足を一瞬浮かせる動作がある

これらのサインは一時的に見えることもありますが、繰り返し見られる場合は注意が必要です。

<進行した場合のリスク>
軽度であっても、膝のお皿が外れる(脱臼する)状態を繰り返すことで、関節への負担が積み重なり、徐々に悪化する可能性があります。進行すると、痛みが強く出たり歩きにくくなったりし、場合によっては手術が必要になることもあります。

そのため、少しでも違和感に気づいた際には早めに動物病院を受診することが大切です。

注意したいトラブル③|外耳炎


トイ・プードルは垂れ耳であることに加え、耳の中にも毛が生えるため、通気性が悪くなりやすい構造をしています。そのため耳の中が蒸れやすく、外耳炎を起こしやすい傾向があります。

外耳炎とは、耳の入り口から鼓膜までの「外耳」に炎症が起こる病気で、かゆみや赤み、においなどの症状が見られることがあります。

外耳炎が起きている場合、日常生活の中で以下のような変化が見られることがあります。

<初期に見られる変化>
・耳をかくしぐさが増える
・頭を振る動きが目立つ
・耳のにおいが気になる

これらの変化は初期に見られることが多く、早めに気づいて対応することが大切です。

<進行した場合のリスク>
炎症が進むと、痛みが強くなったり耳を触られるのを嫌がったりすることがあります。また、状態を繰り返すうちに慢性化し、治療が長引く場合もあります。

そのため、気になる変化が見られた際には早めに獣医師に相談し、定期的に耳の状態を確認してもらうことが大切です。

犬や猫の外耳炎についてより詳しく知りたい方はこちら

おうちでできる予防と環境づくり


上記でご紹介したトイ・プードルに多いトラブルは、以下のように日常のちょっとした工夫によって予防につなげることができます。

<関節・骨を守る工夫>
滑りやすい床にはマットを敷いたり、段差を減らしたりすることで、足腰への負担を軽減できます。
また、体重が増えると関節への負担が大きくなるため、食事量を調整したり、適度な運動を取り入れたりすることも重要です。

<耳のケア>
耳の状態を日頃から確認し、汚れやにおいの変化に気づくことが大切です。ご自宅では、週に1回程度を目安に、見える範囲の汚れをやさしく拭き取るようにしましょう。ただし、無理に奥まで触れてしまうと刺激になることがあるため、注意が必要です。

また、耳掃除を嫌がる場合やケアが難しい場合は、無理に行わず、動物病院で定期的にチェックやケアを受けることも一つの方法です。

気になる症状があれば早めにご相談を|当院でのサポート体制


「少し気になるが様子を見るべきか迷う」と感じる段階でご相談いただくことで、結果的に愛犬の負担を抑えた対応につながる場合があります。

なお、当院ではトイ・プードルに多く見られるトラブルに対して、それぞれの状態に応じた診断と治療を行っております。

<骨折が疑われる場合>
触診に加えてレントゲン検査を行い、骨の状態やずれの程度を確認します。
軽度で安定している場合には安静管理や固定などの保存的治療を行い、骨のずれが大きい場合や不安定な骨折では外科的治療を検討します。なお、複雑骨折や関節内に及ぶ骨折など、高度な整形外科手術が必要と判断される場合には、二次診療施設をご紹介することがあります。

<膝蓋骨脱臼(パテラ)の場合>
触診によりグレード(重症度)の評価を行い、状態に応じた治療方針を検討します。
グレードⅠ〜Ⅱの軽度の場合は、体重管理や生活環境の見直しなどの保存的治療を中心に行います。一方で、グレードⅢ〜Ⅳや歩行への影響が強い場合には、外科的治療が必要となることがあり、症例によっては二次診療施設と連携して対応いたします。

<外耳炎の場合>
耳の中の状態を確認し、必要に応じて顕微鏡検査などを行い原因を見極めます。そのうえで、耳の洗浄や点耳薬などを用いた治療を行い、状態に応じて再発予防のためのケアについてもご案内しています。慢性化している場合や、耳の奥まで炎症が広がっていることが疑われる場合には、より詳しい検査や専門的な治療が必要となるため、二次診療施設をご案内することもあります。

また、当院ではトイ・プードルやマルプーなど、プードル系の犬に非常に多くご来院いただいています。そのため、骨折や膝蓋骨脱臼(パテラ)、外耳炎といった症例にも数多く対応しており、それぞれの体質や生活環境に合わせたご提案を行っております。

まとめ


トイ・プードルは魅力的で飼いやすい犬種である一方、骨折やパテラ、外耳炎といった特有のリスクを抱えています。しかし、正しい知識をもとに生活環境を整えたり、日頃から変化に気づいたりすることで、多くのトラブルは予防や早期対応が可能です。

大切な家族である愛犬と安心して長く暮らしていくためには、日々の観察と適切なケアの積み重ねが重要です。

なお、当院ではトイ・プードルやマルプーなどプードル系の診療経験を活かし、それぞれの状態に寄り添ったサポートを行っております。気になる変化がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

東京都世田谷区の動物病院なら『つるまき動物病院』
診察についてはこちらから
TEL:03-6413-5781