猫が急に痩せた…要注意な7つの病気と症状|動物病院への相談目安も解説

愛猫が急に痩せてしまうと、飼い主様としてとても心配になりますよね。痩せる原因は、ストレスや偏った食事といった軽いものから、重大な病気が隠れているケースまでさまざまです。そのため、急な体重減少を見逃さず、できるだけ早く獣医師に相談することが大切です。早めに対処することで、愛猫の健康を守り、安心して過ごせる日々を取り戻すことができます。
今回は、猫が痩せる原因となる病気の種類や要注意な症状、動物病院への適切な相談時期などについてご紹介します。
■目次
1.急な体重減少はどのくらいから要注意?
2.猫が急に痩せる原因となる主な病気
3.体重減少以外の要注意な症状
4.動物病院への相談の目安とタイミング
5.まとめ
急な体重減少はどのくらいから要注意?
愛猫が普段と変わりなく生活をしているのにも関わらず、1週間で5%以上体重が減っている場合は要注意です。
しかし、体重が4kgの猫の場合、たった200gの変化でも見逃しがちです。そのため、定期的に体重測定を行うことが大切です。ただし、猫は体重計の上でじっとすることが難しいため、キャリーに入れた状態で体重を測り、キャリーの重さを引く方法や、抱っこして一緒に体重計に乗り、その後に飼い主様自身の体重を差し引く方法がお勧めです。
それでも測るのが難しい場合は、動物病院で測定してもらうことも可能です。健康診断も兼ねて、月に1回程度のペースで動物病院を受診すると良いでしょう。
猫が急に痩せる原因となる主な病気
猫が急に痩せる原因として考えられる病気は、以下が挙げられます。
<甲状腺機能亢進症>
老齢期に多く見られます。過食にも関わらず痩せる、落ち着きがなくなる、攻撃性が高くなる、多飲多尿、嘔吐、下痢、息が荒くなるなどの症状が見られます。
<糖尿病>
肥満があるとリスクが高まります。中〜高齢での発生率が高く、初めは多飲多尿が見られ、食欲も増えます。しかし、進行すると食欲が落ちて痩せ始め、下痢や嘔吐、ふらつきが見られたり、毛艶が悪くなったりします。
<慢性腎臓病>
15歳以上の猫の約8割に見られ、命を落とす原因の上位を占める病気でもあります。最初は多飲多尿以外に目立った症状は見られませんが、腎臓機能の約8割が失われた頃に痩せる、嘔吐、口臭などの目立った症状が見られるようになり、最終的に命を落としてしまいます。
<消化器系の疾患>
胃腸炎や膵炎、寄生虫感染など、消化器系に異常が生じると、一般的に痩せてきます。
<がん>
がんが発生した場合、代謝異常によって筋肉や脂肪の量が減ったり、食欲が落ちたりするため、次第に痩せてきます。
<歯周病>
重度の歯周病の場合、食事を口にすると痛みを伴うため、食欲が落ちて痩せることがあります。
<感染症>
ウイルスや細菌、寄生虫などが感染することで痩せてしまうケースもあります。
体重減少以外の要注意な症状
体重減少と一緒に以下のような症状が見られる場合は、病気のサインである可能性が考えられます。
・食欲が落ちている
・元気がない
・たくさん水を飲んで薄い尿がたくさん出る
・嘔吐
・下痢
特にシニア期に体重減少と合わせて多飲多尿が見られる場合は、甲状腺機能亢進症や糖尿病、慢性腎臓病などに罹患している可能性が考えられます。
動物病院への相談の目安とタイミング
体重減少と一緒に他の症状が見られる場合や、元気や食欲があっても1週間で5%以上体重が減少している場合は危険信号である可能性が高いため、すぐに動物病院を受診しましょう。
診断では問診や身体検査(視診、触診、聴診)を行った後、全身の検査を行うことで総合的に診断します。
<血液検査>
腎機能の数値や血糖値、ホルモンの値などを測定します。
<尿検査>
腎機能の異常や糖尿病の可能性があるかどうかなどを確認します。
<糞便検査>
寄生虫感染がないかどうかなどを確認します。
<画像検査>
レントゲン検査やエコー検査を行うことで、臓器の状態や腫瘍の有無などを確認します。
治療が遅れると命にかかわる事態に陥ることもあるため、些細なことでも何か異変を感じたらなるべく早い段階で動物病院を受診するよう心がけましょう。
まとめ
猫は1週間で体重が数百グラム減っただけでも危険信号である可能性があります。そのため、定期的に体重測定を行い、いち早く異常に気がつけるようにしておきましょう。また、体重減少はさまざまな病気の一症状として見られ、中には病気がある程度進行してから現れる場合もあります。
そのため、毎年忘れずに定期健診を受け、いち早く病気の存在に気がつけるようにしておくとより安心です。万が一愛猫が急に痩せてしまった場合、まずは当院までご相談ください。
<参考>
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24217707/
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