つるまき動物病院
院長ブログ

夏は要注意!|犬や猫の外耳炎について

2024年8月7日

犬や猫は外耳炎になりやすい動物です。耳の中に湿気がたまると発症のリスクが高まるため、夏は特に注意が必要です。外耳炎を起こすと、耳垢が増える、悪臭がするといった症状の他に、強い痒みや痛みが出ます。そのため、放置してしまうと犬や猫のQOL(=生活の質)が下がってしまう可能性があり、早期発見・早期治療することが重要です。

今回は犬や猫の外耳炎について、原因や症状、治療方法などを解説します。

■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ

原因


犬や猫の外耳道はL字型をしているため、耳の中に湿気がたまりやすく、外耳炎を起こしやすい構造をしています

さらに、以下のような犬や猫は特に外耳炎を起こしやすいため、注意が必要です。

・耳が前に折れている
・耳の中に毛が多く生えている
・不適切なケア
・耳の中の腫瘍 など

これらに素因に加え、耳疥癬の感染や異物の混入、アレルギー性皮膚炎の体質や免疫介在性疾患の発症により、外耳炎が引き起こされることがあります

また、細菌や真菌(カビの一種)の増殖は、悪化の一因となることが知られています。

症状


犬や猫が外耳炎を起こすと以下のような症状がみられます。

黒〜茶色っぽい耳垢が増える
しつこい痒みが襲う
耳から悪臭がする
外耳道が赤く肥厚している など

診断方法


当院では、外耳炎の診察を以下のような流れで行います。

①問診を行い、症状の経過や過去の病歴などを詳細にお伺いします。
②身体検査を行い、耳はもちろん、全身に異常がないかどうかを確認します。
③耳鏡検査で耳の中の状態を確認したり、耳垢検査で原因を探ったりします。また、場合によっては血液検査やX線検査を行います。

治療方法


外耳炎の治療方法は、原因に合った点耳薬を使用します。ただし、効果を最大限に発揮するため、一般的にはイヤークリーナーなどを使って耳の中をキレイに洗ってから点耳薬を投与します。

また、外耳炎が重度の場合や難治性の場合は、手術が必要になるケースもあります

予防法やご家庭での注意点


外耳炎を起こすと完全に防ぐことは難しいため、いち早く病気の存在に気が付き、適切な治療を始められるかどうかがカギになります。そのため、特に夏場はこまめに耳の中をチェックし、いつもと違うと感じることがあれば、すぐに動物病院を受診しましょう。

まとめ


外耳炎は治療が遅れると慢性化して、治療が長期化するケースも多くみられます。そのため、コミュニケーションの一環として耳の中をチェックする習慣をつけ、耳垢やニオイ、赤みなど、何か気になる症状がみられた場合は、獣医師に相談しましょう。
また、夏場は外耳炎の発生率が高くなるため、いつもよりしっかりと耳の中をチェックしましょう。

当院の健康診断では年齢、性別、品種、過去の病歴などにより、個別に検査内容をご相談して決定していきます。そのため、健康診断の一環として耳の検査を行うことも可能です。なお、健康診断は予約制となりますのでご注意ください。また、検査内容や料金などについてご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。

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