つるまき動物病院
院長ブログ

白内障だけじゃない!|犬と猫の目が白くなる様々な病気について

2024年6月11日

愛犬や愛猫の目が白くなっていることに気づいたことはありませんか?
飼い主様はそのような変化に気づいた際、心配になったり不安を感じたりすると思います。目が白くなる現象は、白く見える部分や症状によって、原因が大きく異なります。
目の病気は、適切な治療を早期に行わないと、視力を永久に失うリスクがあるため、迅速に対処することが重要です。

今回は、犬や猫の目が白くなる原因や主な病気についてご紹介します。

■目次
1.犬や猫の目が白くなる原因
2.目が白くなる主な病気
3.予防法やご家庭での注意点
4.まとめ

犬や猫の目が白くなる原因


犬や猫の目が白くなる主な原因は、角膜や水晶体の異常によるものです。

通常、光は網膜で感知され、その後、視神経を通じて脳に情報が伝達されて、処理されます。
この光が網膜に届く前に、角膜や前房、水晶体、硝子体などを通過する必要があります。しかし、これらの部分に濁りが生じると、目が白く見える現象が起こります。

目が白くなる主な病気


犬や猫の目が白くなる病気は単独で発症することもあれば、複数の病気が同時に発生することもあります。
たとえば、乾性角結膜炎を患っている犬や猫は、角膜潰瘍を発症するリスクが高くなるなど、1つの病気が他の病気を引き起こすことがあります。

犬や猫の目が白くなる病気には、以下のように角膜が白くなる病気と水晶体が白くなる病気の2つに分類されます。

【角膜が白くなる病気】
角膜が白くなる病気は、以下が考えられます。

角膜潰瘍
角膜に傷がつくと、傷の周りがかさぶたのように白く濁って見えることがあります。この状態は痛みを伴うことが多く、愛犬や愛猫が目をしょぼつかせたり、涙が増えたりすることがあります。白濁(はくだく)の範囲が広がると、視力に影響を与え、目が見えにくくなることもあります。

角膜浮腫(角膜水疱症)
角膜の内側にある内皮が浮腫むことで角膜が白く濁ります。これにより、視界がぼやけ、目が見えにくくなることがあります。白濁は、目全体に広がることもあれば、部分的に見られることもあります。

乾性角結膜炎
乾性角結膜炎とは、ドライアイのことで涙の量が十分ではないことが原因で発生します。これにより、目の潤いが足りず、角膜全体が白く濁ります。

角膜ジストロフィー
角膜にリン脂質やコレステロール、カルシウムなどの成分が蓄積することで、角膜内に円形や楕円形の白い斑点が現れます。

【水晶体が白くなる病気】
水晶体が白くなる病気は、以下が考えられます。

白内障
水晶体内のタンパク質が変性することで、瞳が白く濁り、視力が低下します。白内障は片目だけでなく、両目に発生することもあります。
通常は中高齢の犬や猫に多く見られますが、若齢で発症することもあります。
白内障が進行すると、水晶体は完全に白く濁り、ブドウ膜炎や緑内障など他の疾患を併発するリスクが高まります。

核硬化症
核硬化症は、白内障と同じく瞳が白く濁ります。これは、病気というよりは老化の自然な過程の1つで、視力への影響はありません。
眼科検査を通じて、白内障と鑑別することが可能です。

予防法やご家庭での注意点


目が白く見える原因は様々であり、一概に予防策が適用できるわけではありません。しかし、ほとんどの場合、目の白濁は何らかの目の病気が原因とされています。そのため、犬や猫が視力を永久に失ってしまうことがないように、症状が見られたら速やかに獣医師の診察を受けることが非常に重要です。

また、目の病気は外見だけでは正確に診断を行うことが困難とされています。適切な診断と治療を受けるためには、専門的な眼科検査を受ける必要があります

まとめ


犬や猫の目が白くなる病気は、早期発見と適切な治療を行うことが非常に重要です。
そのため、飼い主様は普段から愛犬や愛猫の目の健康には常に注意を払い、目に異常が見られたら速やかに獣医師の診察を受けることが大切です。

愛犬や愛猫の目の健康を維持するためにも、日頃から注意深いケアが必要です。

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