つるまき動物病院
院長ブログ

冬真っ盛り…犬の寒さ対策について|寒いと体調を崩す恐れも

2024年4月8日

冬は、人間だけでなく、家族の一員である愛犬にとっても寒さ対策が必要な時期です。

特に、小型犬をはじめシングルコートを持つ犬種や、皮下脂肪が少ない犬種は寒さに弱いとされています。そのため、寒さによって体調を崩すことがありますので寒さ対策はとても重要です。

犬がどのように寒さの影響を受け、いつどのような対策を施すべきかを考慮することが大切です。

今回は寒さ対策について、冬に多い病気やどのような対策が必要なのかについてご紹介します。

■目次
1.寒いと体調を崩すのはなぜ? 冬に多い病気は?
2.どのような対策が必要か?
3.まとめ

寒いと体調を崩すのはなぜ? 冬に多い病気は?


私たち人間や犬などの哺乳類は、寒い環境において体温を保つために自律神経を活性化させます。この過程で、体温維持に必要なエネルギーが多く消費されるため、冬場には疲労を感じやすくなり、体調不良に陥りやすくなります

加えて、冬は気温が低く、空気が乾燥しているため、ウイルスにとって生存しやすい環境となります。そのため、この季節には次のような病気が発生する恐れがあります。

気管支炎
肺炎
関節のトラブル など

また、冬の寒さで水を飲む量が減り尿が濃縮されるため、膀胱炎や尿路石症にも注意が必要です。
そのため、飲み水を体温程度に温めたり、複数の水飲み場を設置したり、ウェットフードを利用して食事からの水分摂取を促すなどの対策が必要です。

どのような対策が必要か?


犬が寒がっている行動としては、体が震える、体を丸める、興奮していなくても被毛が逆立つ、普段は布団に入らないのに入ってくる、普段はあまりくっついてこないがくっついてくる、散歩に行きたがらないなどの行動が挙げられます。

全身を被毛で覆われている犬は寒さに強いと思われがちですが、アンダーコートがない犬や小型犬、体温調節が苦手な子犬や老犬、基礎疾患を持つ犬では、寒さへの対策が必要です。

家の中と散歩時の寒さ対策について、すぐに実践できる方法をご紹介します。

<お家の中>
暖房器具で部屋全体を温めることが重要です。犬にとって快適に過ごせる室内温度は約21〜25℃とされています。
しかし、暖房器具を使用すると室内や皮膚が乾燥しやすいため、加湿器を使って湿度を50〜60%程度に保つことが望ましいでしょう。

ヒーターやストーブの前で長時間過ごすと、皮膚の乾燥や、低温やけどをするリスクがあるため、サークルで囲むなどして近づき過ぎないよう工夫が必要です。
ホットカーペットやこたつは、温度が高いと低温やけどや熱中症の原因になるため、暑さから逃れるための場所を用意しましょう。
例えば、こたつでは布団を上げておくなどの工夫が必要です。

また、ブラッシングは被毛に空気を含ませて、血行を良くする効果があるのでおすすめです。

さらに、冬場でも熱中症や脱水にも注意が必要です。
犬や猫が快適と感じる温度は、人間が少し寒いと感じる程度です。そのため、快適と感じる環境が、犬にとって暑すぎる場合があります。犬が暑さを感じた時に自分で涼しい場所に移動できるように、ケージやクレートの設置場所を慎重に選びましょう。

<お散歩のとき>
洋服を着せることも効果的ですし、首周りの太い血管を温めるためにネックウォーマーを使うこともおすすめです。また、地面が冷たい場合は、靴下や靴を履かせてあげると良いでしょう。寒暖差に敏感な犬の場合は、外出前に室内の温度を少し下げるためにエアコンを切るなどして、気温の変化に慣れさせることも有効です。

まとめ


犬が寒い季節を快適に過ごすためには、適切な防寒対策が重要です。
最も大切なのは、室内の温度と湿度を快適な状態に保つことです。ペット用の服を着せたり、暖房器具を安全に使ったり、寒さからペットを守るために居住スペースを工夫したりするなど、さまざまな対策で寒い季節を乗り越えましょう。

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