つるまき動物病院
院長ブログ

犬の胆嚢粘液嚢腫について|早期発見がカギとなる病気

2023年5月24日

胆嚢は肝臓と十二指腸の間にある袋状の臓器で、消化液を貯蔵しておく役割を持ちます。
犬の胆嚢粘液嚢腫は、この胆嚢にムチンというゼリー状の物質が溜まってしまい、胆嚢の働きに異常をきたしてしまう病気です。
この病気の怖いところは、病態が進むまで症状がでにくく気がついたときには命にかかわる事態になっていることが多いことです
今回は犬の胆嚢粘液嚢腫について、その症状や予防などについて解説します。

症状


肝臓が沈黙の臓器と言われるように、胆嚢についても初期には特徴的な症状を示しません
なんとなく食欲がない、たまに吐く程度です
しかし病態が進行してくると、胆道閉塞による黄疸や、腹部の圧痛、腹水の貯留による腹部膨満が見られるようになります
深刻化すると胆嚢破裂やそれによる腹膜炎を起こし、命にかかわる事態となります

原因


明確な原因は分かっていませんが、高脂血症や肥満、また甲状腺機能低下症・副腎皮質機能亢進症といった内分泌的基礎疾患はリスク因子になると言われています
また、ミニチュアシュナウザーやシェルティーが好発犬種とされていますが、他にも様々な犬種に見られる病気です

診断


診断することは比較的容易で、エコー検査で胆嚢を描出することにより診断されます。「キウイフルーツ」のような像が見られることが特徴で、同時に腹水や胆管閉塞の有無など病態の進行度も確認することができます。

治療方法


胆嚢粘液嚢腫の治療法は、その病態の進行度により異なります
初期の無症状の時期では、まずフードを低脂肪の処方食に変更したり、肝・胆の機能改善薬や利胆薬を使って、胆嚢内に蓄積したゼリー状物質の内科的排出を試みたりします。

しかし、これらの治療を行っても、画像的・数値的改善が見られない場合や、すでに腹水や黄疸が見られる場合には、胆嚢破裂を起こす前に外科的に胆嚢を切除することが推奨されます
万が一胆嚢破裂を起こしてしまった場合、多くは致死的な結果を辿ってしまいます

胆嚢切除に関しては当院でも症例があります。ソノサージという侵襲性が少ない機器を用いた手術も可能ですので、胆嚢切除の手術について具体的に知りたい場合、ご相談がある場合は当院までお問い合わせください。

予防方法


胆嚢粘液嚢腫は特徴的な症状がないため、ご家族が日常で気がつくことの難しい病気です。
そのため定期的な健康診断を受け、早期発見・重症化の予防に努めましょう。
血液検査で肝臓や胆嚢の数値に異常が見られた場合には、追加でエコー検査を受けることをおすすめします

またリスクとなる高脂血症や肥満を予防するために普段から食事内容に気を付け、不安であればかかりつけの獣医師にフードの相談をしてみましょう。

まとめ


胆嚢粘液嚢腫は深刻化すると命を奪いかねない病気ですが、定期的な健康診断と早期発見・治療によってそれを防ぐことができます。
また食事内容や適度な運動による健康管理で、大切なわんちゃんとの健康寿命を延ばしていきましょう。

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